エジソンズ・ゲーム 監督 アルフォンソ・ゴメス・レホン
カンバーバッチが発明王エジソンを演じた「エジソンズ・ゲーム」原題は「電流戦争」
直流を支持したエジソンと、交流を支持したウェスティングハウス(マイケル・シャノン)との戦いを描いたストーリー。
分かりにくいかと思いきや、思いがけず面白い作品でした。
実際安価で遠くまで電気を送れる交流の方が効率的で、こちらが現在の電気の方式として選ばれているのだけど、ウェスティングハウスはエジソンの発明した電球の素晴らしさは認めていて、手を組みたいと考えていました。
一方エジソンは、真っ向から対決する事しか頭になく、交流電気が危険で事故を起こしやすいと、動物実験を重ねる事で世間にネガティブな方向からアピールします。
偏屈なエジソンの性格が前面に出されて描かれているけれど、家族思いで妻や子供を大切にしているシーンもあり、意外な感じもしました。
また、儲かるからといくら周囲に言われても、絶対に兵器の開発に手を貸す事は拒否した彼の信念には心惹かれます。
エジソンは圧倒的なネームバリューで世間の支持を集めるけれど、交流方式を発明したニコラ・テスラはウェスティングハウスと手を組んで事業を展開します。
ラストのエジソンとウェスティングハウスの会話が心温まります。フェンスの例え話も良かったです。
エジソンは電流戦争には負けたけれど、そのあと映画(キネトスコープ)を発明したそうです。
エジソンに苦労させられたはずの助手のサミュエル(トム・ホランド)も、エジソンと一緒にいる事の面白さを語るシーンがあり、エジソンの頭の中には無限にアイディアが詰まっているんだなと確かにワクワクさせられます。
ベネさんは偏屈だけど才能溢れる天才を魅力的に演じていました。
当時の文化を表現したセットも美しく、見応えがあります。
取っ付きにくそうなテーマではあるけれど、一見の価値ありです。
ドクターストレンジ マルチバース オブ マッドネス 監督 サム・ライミ
久しぶりの更新です。
ドクターストレンジ マルチバース オブ マッドネスを配信で観ました。
1は劇場で観たけれど、正直ラストのドルマムゥとの戦いが単調で眠くなりました。
小ネタに走り過ぎてテーマに一貫性がなかったのも問題だったと思います。
でも、今回はクリスティーンに去られたストレンジと、子供を取り戻したいワンダ(スカーレット・ウィッチ)の対決が愛を軸としたテーマだったので、一貫性がありラストまで集中して観ることができました。
アメリカ・チャベスのマルチバース(多元宇宙)を行き来できるパワーを手に入れて、マルチバースを思いのままにする事で子供のいるマルチバースを永遠に手に入れたいワンダ、どのマルチバースに行っても変わらずクリスティーンを愛し続けるストレンジが切なかったです。
昔の幸せだった頃の思い出が映し出されるシーンには号泣でした。
いつかはストレンジにも幸せになってほしいです。昔のストレンジとはたぶん違うはずだから…。
知的なベネさんにストレンジはハマリ役で、手から魔法を繰り出す姿もCGもパワーアップしていました。
音符を魔法に乗せて発するのがオシャレでした。
ソーサラースプリームのウォンが好きで、いい所でいつも助けに入ってくれるので安心して見られます。
1でも大活躍だったストレンジのマントちゃんは、気絶したストレンジをペチペチするものの起きないので自分でチャベスを助けに行ったり相変わらずの活躍で、可愛かったです。
マルチバースの扱いも分かりやすく、SF初心者でも楽しめるようになっていたと思います。
ラストの衝撃は次作への前フリなんだろうけど、なくても良かったかな。
パトリック・メルローズ
アマゾンプライムの、スターチャンネル無料期間を使って、念願のパトリック・メルローズを観ました。
パトリックは、子供の頃父親から性的虐待を受けていて、それがトラウマになって、大人になった今ではドラッグとお酒に溺れ、女性とは遊び放題の放蕩生活を送っています。
第1話のパトリックはほんとハチャメチャで、見ていて辛いです><
第2話でその原因となった子供時代の虐待が描かれるんだけど、ほんとひどい。萩尾望都さんの「残酷な神が支配する」を思い浮かべました。この漫画も、義理の父親から性的虐待を受けた少年が自分を大切に思えず犯罪を犯した上男娼になる物語でした。父親役はマトリックスのヒューゴ・ウィーヴィングです。
しかしその父親が亡くなり、一つ肩の荷を下ろせたパトリックは、ドラッグとお酒を断つことにし、辛い体験を友達に話します。
一歩踏み出せたパトリックは、従妹のメアリーと結婚、2人の男の子の父親になります。
新しい人生が始まったかに思えたけど、実家に住んでいる母親が宗教のような物(協会と言われてた)にはまり、家を協会に寄付してしまいます。パトリックは帰る故郷を失います。
パトリックはこの頃から断っていたお酒をまた飲み始め、メアリーとの仲もだんだん険悪になり、メアリーは子供を連れて出ていってしまいます。
母親は鬱になり、死にたいと言い出すように。パトリックは尊厳死が認められるスイスに母親を連れて行こうと手配しますが、母親は直前になって拒否。パトリックは振り回されます。
パトリックは更正するための互助会に入るんだけど、母親が虐待の事実を知っていたことにショックを受け、また荒れます。
そのうち母親がなくなり、解放されたパトリックは、妻と子供と再会して、やり直そうと思い、また互助会へ。みんなから拍手で受け入れられるシーンは感動的です。
子供のことはとても大切に思っているんですよね。でも浮気だけはどうしてもやめられない、困った人です。
そのうち、いつも父親の話をしてきた父親の友人も亡くなり、パトリックの精神を脅かす人は全ていなくなります。
最後に浮気しようと思ってかけた電話の相手が子供の話をしてきたため、電話を切るパトリック。これで浮気も打ち止めかな?
慕ってくる可愛い2人の息子と、メアリーと、今度こそ幸せになってもらいたいものです。
子供の頃のトラウマからの脱却と再生の物語でしたが、大人になってからもこれでもかと困難が襲ってくる大変なストーリーでした。ベネさんが製作総指揮も兼ねているのですが、ベネさんがぜひ演じてみたいと思うような内容だなあとは思います。
ゲーム・オブ・スローンズ第8章
久々に登場しました。
ベネさんのことも書きたいのですが、まずは観終わったばかりのゲーム・オブ・スローンズ第8章について。
ついに終わってしまいましたね。これほどはまったTVシリーズはSHERLOCK以来です。
ネタバレありますので、未見の方はご注意ください。
作り直しをファンが要求するほど物議を醸した第8章ですが、確かに納得はできませんでしたね。
デナーリスの暴走は以前から始まっていたので、最後の大虐殺も予想はできていたのですが、まさかジョンが手を下すとは思っていませんでした。デナーリスではなくジョンが王になるのだろうとぐらいしか思ってなかったです。
そしてまさか、ジョンでさえ王にならないとは。ブランが王でもいいんだけど、その場にジョンの姿がないのは寂しかったです。
ジェイミーが愛するサーセイを守って死ぬのは予想通りでしたが、二人とももっと劇的な最期を迎えると思っていたので残念です。特にサーセイ、諸悪の根源があんなあっさりした死に方じゃ納得できないです。
ジェイミーと抱き合って別れを惜しんだティリオンが、二人の遺体を見つけて涙するところ、悲しかったです。自分の事を一顧だにしなかったサーセイのこともティリオンは姉として愛していたんですね。
お気に入りキャラの一人ブライエニーが長年の思いを遂げたのは嬉しかったし、愛する人の手で騎士にしてもらえたのは感動的だったけど、ジェイミーは結局サーセイの元に行ってしまって、ブライエニー可哀想でした。
ブラザーフッドのベリック、何であんなに何度も生き返ってるのか、何か重要な役目を持っているに違いないと思ってましたが、アリアを守るためだったんですね。
完全に形勢不利な中、アリアが夜の王を倒した時はスカッとしました。
戦いに赴く前に、ジェンドリーとしとねを共にしたアリアですが、純情なジェンドリーがやっぱり可哀想なことになりました。
一番のお気に入りキャラのティリオンが生き残ったのは嬉しかったし、ブランの王の手になって良かったです。ブランの参謀たち、頼りになる人達が集まってましたが、やっぱりジョンが…><
自分が考えるベストな終わり方は、デナーリスが玉座をジョンに譲り、ジョンが七王国の王になり、ティリオンが王の手に。ブランは参謀の一人になる。
ジェイミーは残念だけどサーセイを苦しみから救うために刺し違えて死ぬ。
北の王はドラマ通りサンサがなり、アリアはサンサのために参謀の一人になり、暗躍することに。
ほとんど思った通りになりませんでしたが、やっぱり苦労を重ねたジョンが王になってほしかったです。ジョンが生き返ったのも七王国の王になるためだと思ってたので。
グリンチワールドプレミア
マイティー・ソー バトルロイヤル 監督 タイカ・ワイティティ
わずかなシーンでしたが、とても印象的な出演シーンになっていました。
そして息子2人に「愛している」と言い遺して消滅します。呼びかけが「サンズ」と2人に向けられていることに、ロキは反応してましたね。実の息子でなくても愛されていたんだと実感したことが、この作品でのロキの行動の源になっていたのかも知れません。
ソーとロキはアスガルドを守るために協力することを話し合いますが、今ひとつ調子が合いません。そんな中、ヘラがアスガルドについに進入し、大暴れします。
この時、出ましたねー。浅野忠信さん演じるホーガン。戦死しちゃいますがちゃんと台詞もあります。
ハルクに自分が友達であることを思い出させようとさまざまに話しかけますが、ハルクは攻撃してくるばかり。その後も2人の通じ合わないやりとりには笑ってしまいます。
しかし、圧倒的な力を持つヘラの前に為すすべがありません。そこでソーは炎の巨人スルトをわざと復活させてラグナロクを引き起こし、アスガルドと共にヘラを葬ります。
ソーは目的地を地球にすることを宣言します。
最後にソーとロキが地球での自分の人気について気にして話し合うのが爆笑です(笑)
ところで、何で邦題「マイティー・ソーバトルロイヤル」なんでしょうね?「ソー・ラグナロク」の方が絶対いいのに。北欧神話が元だということを踏まえれば、ラグナロクは外せないでしょうに。バトルロイヤルって感じでもなかったのに。ラグナロクって言葉が一般的じゃないと思われたのかな?でもゲーム世代には通用する言葉のような気がします。