フィフス・エステート 世界から狙われた男  監督 ビル・コンドン

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匿名で国家や企業等の機密情報を公開するウィキリークスと、その創設者である、ジュリアン・アサンジを描いた作品です。

アサンジの実際のインタビューを観ましたが、ベネさんは見た目だけでなく、話し方や態度も実によく似せて演じています。

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始めはアサンジとダニエル(ダニエル・ブリュール)の2人だけで始めてたんですね。機密情報も、PC1台あれば簡単にアクセスすることができるという怖さを感じました。
ウィキリークスが支持を集めるうちに、やがて国家を揺るがすような大きな情報を扱うようになり、ダニエルは危惧を感じます。

一般市民にとって知るべくもない情報を知らせてくれるウィキリークスは、必要な存在だったと思います。ロイター通信の記者が狙撃される実際の映像が挟み込まれていましたが、そういう事実を広めることで、国家にプレッシャーをかけて次の事件を防ぐことができるかもしれないからです。
数々の、情報に関わる賞を受賞していることも、彼の活動の意義が認められているということでしょう。

しかし、情報提供者を守ることを第一にしていたはずが、アメリカの外交公電流出事件では、情報が多すぎて、最後には編集することなく全ての情報を公開してしまったために、多くの提供者の名前が暴露されることになりました。
アサンジの理想と現実の相違に、ダニエルが取った行動は…

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ダニエルはアサンジにとって唯一信用できる人間だったと思うので、システムがやられたことよりも、ダニエルに去られたことの方が大打撃だったでしょう。アサンジの弱点は、コンピューターを知り尽くしていても、人の思いはつかめなかったところなのかも。
ダニエルも、背中にウィキリークスのロゴのタトゥーを入れるくらい心酔してたわけで、アサンジと袂を分かつにはよほどの決心がいっただろうと思います。

ウィキリークスの方は立ち上げた時と同様、PC1台でまたどこからでも復活できそうな気がします。現在どういう活動をしているかは分かりませんが…。
エンドロールの時、この映画に反対しているアサンジをベネさんが演じているのが面白かったです。

ベネさんはアサンジという人物を魅力的に見せてくれてました。プラチナブロンドが似合ってて、踊るシーンもあったし、楽しめました^^
そうそう、「ダウントン・アビー」のダン・スティーヴンスさんも出てるんです。ガーディアン紙のメンバーですが、飛び抜けてハンサムなので目立ちます。

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ボーナスコンテンツで、コンピューター画面にこだわった作りがされていることが詳しく紹介されていて、これを知ってから観た方がより楽しめたかな、と思いました。

この映画を観ることで、今までよく分からなかったウィキリークスという存在の内幕を知ることができたのは良かったです。勉強になりました。