新世界~航海の果てに~

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イマジカで放送があったこのドラマ、フジテレビオンデマンドで観られると知って、無料お試し期間を利用して観ました。
一部ネタバレありますのでご注意下さい。

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英国貴族の青年エドマンド・タルボット(ベネさん)は、高名な名付け親の紹介で、オーストラリアの総督府に赴任することになります。軍艦を旅客船として使っている古い船に乗り込み、様々な経験をするという、若者の成長譚になっています。
原作は『蝿の王』で有名なウィリアム・ゴールディング。原作ではエドマンドと神父コリーの対比が重要らしいのですが、ドラマではコリーは第1話しかメインの登場はありません。

まずオンボロ船での航海が過酷すぎです。ベッドがハンモック式で、船の揺れに合わせて揺れまくる上、壁にドンドンぶつかるって…寝るの無理でしょ^^;しかも壁や床から浸水してくるとなると、貴族には耐えられない環境ですが、それでもだんだんと適応するというか、しないとしょうがないんでしょうね。

エドマンドは船長のアンダーソン(ジャレッド・ハリス)に挨拶しようと、一般の乗客は上がれない後甲板に上がり、船長にとがめられますが、名付け親の手紙を見せて納得させます。しかし、続けて上がってきたコリーを船長は罵倒して追い払います。エドマンドに示せなかった自分の権威を示そうとしたのと、無神論者で神父が嫌いだからです。コリーはこの出来事をきっかけに士官達から見下されるようになり、それが悲惨な事件につながっていきます。

エドマンドは後でこの時の行動を士官のウェルズに責められます。船長の注意書きをよく読んでなかったという不注意で、それほど失礼な態度をとったわけではないと思いますが…。士官達の悪行の責任をエドマンドに押しつけてるような気もします。
ただ、名付け親の威を借りた態度と貴族であることを鼻にかけた行動はいただけないので、ここでガツンと言われたのは彼にとって良かったと思います。

前半はコリーの事件を解決するミステリー仕立て、後半は航海の途中で出会った別の船の乗客であるマリオンへの恋と、エドマンドの人間的な成長が中心に描かれています。
エドマンド、一夜の相手の女性には冷たかったのに、マリオンにはのぼせ上がって猛アプローチです。でも、ハンサムな士官のデヴェレル(J・J・フィールド)も彼女に接近するので気が気じゃありません^^;

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恋に浮かれたエドマンドが歌を歌うのですが、なかなか上手でした。ベネさん、歌が上手っていうイメージはなかったので意外でした。
具合が悪くて薬で寝ている間に、彼女の船は去ってしまい、乗組員の交換で、デヴェレルは彼女の船の乗組員に。ショックを受けるエドマンドですが、けっこう気持ちの切り替え早かったですね。
J・Jさん、僕星にも出てましたが、ハッと目を惹く美青年ぶりです。エドマンドがやきもきするのも無理ないです(笑)
マリオンが去る時にくれた手紙を発見して舞い上がるエドマンドですが、デヴェレルと交換でやってきたベネーに「ラブレターじゃなくてただの手紙だろ?」と言われます(笑)

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ベネーはやり手の海尉で(しかもハンサム)、今まで誰も修理できなかった折れたマストの修理をする画期的なアイディアを提案し、成功します。それに対してウェルズが嫉妬し、ちゃんと船長もその事に気づいてるところが面白いです。

エドマンドはなぜか士官に任命されて、夜間の監視任務に就くようになります。そんな時目の前に迫った危機を発見しますが…。

とにかく昔の船旅っていうのは大変だったんだな…というのがほんとによく分かります。オーストラリアに着いたエドマンドが、ふかふかのベッドで飛び跳ね、枕に頬ずりする心境に同調してしまいましたから。しかし安心できる環境にいるはずのエドマンドが、この後起きる事件でとった行動には驚きました。船に乗る前の彼だったらこの行動はとらないでしょうね。
着いたとたん英国に帰っていく船長と乗組員たちも大変です。海の男ってそういうものなのでしょうか。

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エドマンドが影響を受ける乗客にサム・ニール、マリオンの乗っている船の船長にチャールズ・ダンスと、大物も出演しています。
ベネさんはまだ20代ですが、きっと英国では演技の上手い若手俳優として有名だったんだろうなと思います。古風な衣装がお似合いだし、いろいろサービスショットもあります^^

ゴールディングの原作だけあって、生死に関わる重いシーンも多かったですが、とても見応えのある大作ドラマでした。